上咽頭炎とは?
上咽頭とは鼻や喉の奥で左右の鼻の穴が合流するところに位置します。
上咽頭は、呼吸をする際に空気が通る場所で、細菌やウイルスなどが付着しやすいところです。
風邪やアレルギー、ストレスが原因となり、炎症が慢性化すると「慢性上咽頭炎」と呼ばれる状態になり日常生活に支障をきたすことがあります。
上咽頭炎の主な症状
上咽頭炎の症状として以下の症状があげられます。
自律神経の乱れ
喉の痛みや違和感
頭痛
鼻づまり、鼻水
倦怠感
咳や痰
声がかすれる
集中力の低下
常に気になったり、睡眠の妨げにもなり生活の質の低下にむすびついていきます。
東洋医学の視点から見る上咽頭炎
東洋医学では、上咽頭炎を「胃の熱が上昇して上咽頭に炎症ができている」として捉えます。
胃に熱を生み出す原因は様々です。
・脾の機能が低下して脾と関連の深い胃の調子が崩れる
・腎の機能が低下して水が少なくなり胃を冷やせずに熱を持つ
・肺の機能低下で気の巡りが悪く熱が生まれ胃に伝播した
・肝の機能低下で血が減ったり、循環が悪く熱が生まれ胃に伝播した
このような原因によって上咽頭炎に影響を与えると考えられています。
東洋医学的アプローチでは、体全体のバランスを整え、免疫力や自然治癒力を高めることを重視します。
鍼灸による上咽頭炎の改善方法
東洋医学の鍼灸治療では2通りのアプローチをします。
この2つの鍼灸治療方法によって、上咽頭炎だけでなくその他の症状を取り除き、上咽頭炎をおこなさい体づくりをしていきます。
上咽頭炎の根本療法(本治法)
1つ目は根本治療(本治法)です。
胃の熱が上咽頭に影響すると考えるので、胃の熱を生み出している臓の機能をあげていきます。
まず、脾・腎・肺・肝のどこの機能が低下しているかを見極めていきます。
上咽頭炎という症状が同じでも人によってどこの機能が低下しているか、体質的にどこの機能が弱いかなどが違っています。
上咽頭炎だけでなく、他の症状を聞いたり体の状態を確かめて、体全体を見ていきます。
一人一人の状態をしっかり把握した上で施術をしていきます。
上咽頭炎を根本から治し、再発しない体づくりをしていきます。
上咽頭炎の対症療法(標治法)
2つ目は対症療法(標治法)です。
症状が出ている上咽頭につながる経絡(ツボの道)にアプローチしていきます。
上咽頭の症状を早期に抑えるために有効な方法です。
臓腑とつながる12本の経絡の中から対象となる経絡を選び処置をしていきます。
主に胃経、大腸経、腎経などからアプローチをすることが多いです。
上咽頭の炎症につながる熱を取り除き、不快な状態から早く脱出できるようにしていきます。
このように東洋医学では、上咽頭炎にならない体づくりと早期に症状を取り除く両面で鍼灸治療をしていきます。
また、上咽頭炎以外の症状も取り除いていきます。
上咽頭炎に対する鍼灸施術の流れ
カウンセリングで症状の確認
初回は問診票をご記入いただき、上咽頭炎に関することだけでなく、その他の症状、他にお困りのこと、どのようになりたいかなどをお話しさせていただきます。
2回目以降は、前回施術からの体の変化などをうかがいます。新しく生じた症状やお悩みがあれば遠慮なくお伝えください。その内容を元に一人一人のその時々にあった施術内容を組み立てていきます。
東洋医学的診断(脈診、腹診、舌診など)
機能が低下している臓器や部位を確認していきます。
鍼やお灸による施術
手、足、腹部、背部、頭部など全身に対して、鍼やお灸による施術をしていきます。
自宅でできるケア方法のアドバイス
症状に対する養生法、個人個人にあった養生法、季節の養生法などをお伝えします。
上咽頭炎の鍼灸治療に関するよくある質問
上咽頭炎の鍼灸治療に痛みはありますか?
痛みを感じないように施術をしていきますが、鍼の刺入に伴い痛みやお灸の熱さを感じることがあります。
個人差、その時の状態、部位によって異なります。
痛みを与えることが目的ではありませんので痛みが強い場合はお伝えください。違う方法で改善に導きます。
上咽頭炎の鍼灸治療には何回通えばいいですか?
目的とする状態、症状の深さや期間、本人の回復力、日常の過ごし方によって変わってきます。
一回の施術で変化を感じる方は多くいらっしゃいますが、完治まではいけないため、週1回以上の頻度で鍼灸治療を続けていかれることをお勧めします。
上咽頭炎の症状を取り除き、上咽頭炎にならない体づくりを目指す場合、週1回以上の頻度で、3−4ヶ月を目安にお考えください。
問診時に丁寧にお話しさせていただきます。
上咽頭炎を病院でも治療中です。同時にやってもいいでしょうか?
とくに問題はありません。
もし不安があるようでしたら、主治医の先生にご相談ください。
今すぐ上咽頭炎の改善を始めましょう!
東洋医学は、上咽頭炎に対して西洋医学とは違ったアプローチをします。
西洋医学では患部に直接処置を施したり、薬物を使っていくため、体へのストレスが非常に大きくなります。
東洋医学の鍼灸治療では、上咽頭炎になる熱を生み出す原因にアプローチをし、上咽頭につながる経絡を使って熱を早期に抑える施術方が確立しています。
体への負担が少なく、上咽頭炎以外の症状も同時に改善を目指していきます。体は一つなので上咽頭だけ不調とは考えられず他にも不調があります。
その他の不調も取り除くことで体全体の調子を整えていきます。
西洋医学的な方法で上咽頭炎が治らないとお悩みの方は、東洋医学の鍼灸をお試しください。